ここはオレのゴミ屋敷!

SFと読書感想・古物・古書などの事を書きますが、たいがいは取りとめのない話が中心になります。。

『特撮の空』は僕らのふるさと

お題「我が家の本棚」
ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]


空に浮かぶ雲を見るのが好きな人は結構にいるだろう。他から捻くれた感性を持っていると自覚しているオレですら、ぼーっと雲を眺めることは好きだ。そして、空に浮かぶ雲は、思い出と一緒に刷り込まれているのが多々ある。いわゆる原風景だ。

そして特撮作品を愛好するものにとって島倉二千六の背景画は子供の頃に見たソレと同じと言っても良い。怪獣、ホラー、SF、ヒーロー、戦争等々。彼の風景画を観ていない者はいないからだ。

特撮の空 島倉二千六、背景画の世界

特撮の空 島倉二千六、背景画の世界

なので、この自伝は買わずにはいられない。だから、買った、読んだ、そして感想だ。

目次 ↓
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内容は島倉が手掛けた作品の紹介と(だから本書は写真集や絵本で見るような横長) と各映画関係者のコメントと背景画家としての半生をインタビュー形式で語る構成になっている。

まず、作品の紹介だが、そのバリエーションの豊かさにあらためて圧倒された。ゴジラウルトラマン、戦争作品での馴染みの風景から、『宇宙大戦争』や『宇宙からのメッセージ』などの地球に纏う雲。『惑星大戦争』や『さよならジュピター』などの地球以外の雲。雲でも変わり種ともいえる『零戦燃ゆ』と『ガメラ 大怪獣空中決戦』の真上からの雲。そして大林宣彦作品や黒澤明作品の赤い雲 等々。

でも、インタビューにはあったのだが写真としては掲載されていなかった『首都消失』があったらいいのにな、とは感じたけども。あれは文字通り雲が表に出ている作品なので。

そしてインタビューで得た気づきなのだが、東宝特撮の中野昭慶川北紘一の悲劇の捉え方が違うという島倉の指摘だ。確かに中野の空はどんよりとしているし、川北の空はどちらかというと明るい。両者のドラマの考え方と根本としての違いを再確認した。

コメントでは小島耕司[特美 背景部]の所が印象に残った。うん、そうでなければ、あの様な空は書けないよな。

あと、本書の帯に推薦文を書いている、『エヴァンゲリオン庵野秀明の人柄についても語っているが、オレと君たちの想像どおりだ(笑)

いやいや、眼福でした。お宝にします!